無限大の感情

グリーグの"Last Spring"は病に倒れ、二度と来ない春を描写したものだそうだ。


残りの人生があとわずかしかないとしたら。いくら考えても自分の運命は変わらない。いかにポジティブに捉えようとも、死期はすぐそこに迫る。その事実は変わらない。色々未来を空想したり過去を回想したりしても、現に起きている病は止められない。

そこには無限の悲哀がある。


無限。いくら人為的に操作しようとも、そこにひきもどされる。ある程度強い感情はその極みの瞬間においては、その感情を消去しようとする努力をことごとく打ち砕く。つまり,
ある感情がその人を完全に支配する。言い換えれば、その人は無限大の感情に圧倒されている。


親愛なる人の死
最愛なる人との別れ
人生をかけた闘いにおける敗北

そして、自らの死期の宣告



これらのもたらす感情を意図的に退けることはできない。立ち現れる感情に対して我々は無力である。

しかしまた無限大の感情は無限に持続するわけではなく、負の感情は、正の感情へ向かう原動力(motivation)となる。