哲学のもたらす幻想

哲学は存在を考える学問である。それも世界がどのように振る舞うか、ではなく世界それ自体のあり方について考える。

しかし、世界全体をも研究対象に含む哲学にも弱点がある。哲学は言語に束縛されているのだ。言語を用いない哲学はいつの時代にも存在しない。科学との決定的な相違点でもある。ある哲学を完全に理解するということはあり得ないし、そもそも正しい理解というものが存在しない。