真の幸福(1)

前にはてな質問で真の幸福とは何か、という質問があって、回答を考えたのだがいざ入力して送信を押そうというときに消去してしまって再び書く気をなくしていた回答がある。


真の幸福とは何か?それを考える前に「真の」は主観的に付加されることの多い表現であって、その表す意味はいくつもあることは知っておく必要がある。


たとえば「真の」を科学的に追求するなら、「幸福」(ここでは喜怒哀楽の喜や楽とする)とは人間の感情の1つであり、脳内のとあるニューロンからとある神経伝達物質が放出され、快楽を感じるときに発火する特定のニューロンが興奮しているという現象と等価であるとみなされる。したがって、その神経伝達物質を外から投与すれば、あるいは、快楽のシグナル伝達のメカニズムが判明すれば、それを模倣し快楽を人工的に再現しさえすれば人間はいつでもいくらでも幸福を得られるだろうと推測される。つまり、幸福感をもたらす薬物は真の幸福をもたらす格好の手段だといえる。今のところ大麻やコカイン、覚せい剤などの薬物は全て精神依存性があり、最終的には身を滅ぼしてしまうという危険な代物である。もし将来的にそういった副作用なく、幸福感をもたらすメカニズムを脳内に人工的に再現する手段が開発されればそれこそ「真の幸福」である。


しかし、それは本当に「真の幸福」なのだろうか。もちろん1つの考え方としてあってよいと思うが、それは間違っているとする考え方もあってよいはずだ。薬物など神経系に直接手を加えて幸福を感じるというのは、むしろ神経系を、つまり自らを、だましているのであって、それこそ「偽の幸福」と呼ぶべき代物なのではないか。


…ねむいのでまたいつか笑